「ストレスフリーの整理術」はGTD(Getting Things Done)のメソッドと活用法について書かれた本で、7つの習慣の「重要事項を優先する」の要素と、マインドフルネスな状態を維持するための具体策みたいな事が書かれた、頭の働きに着目した内容になっていて参考になることばかりだったので、早速、自分のタスク管理やスケジューリングの作成・見直しをする際に活用することにしました。
GTDは、ゆとりをもって物事に集中するための精神状態を作り、最大限の生産性を発揮していくためのアプローチと言われていますが、本を読み進めながら、単なるノウハウではない重要な考え方が詰まっていると感じました。
また、GTDは仕事の場だけでなく個人の生活にも目を向け、組織と個人の生産性を上げることに主眼が置かれています。
具体的には、5つのステップを繰り返すことによって、今やるべき事と今やる必要のない事を分類して、1つのことに100%集中することができるようにする、そのようなプロセスになっています。
なんとなくマインドフルネスな状態と似たような感覚があると思いますが、マインドフルネス瞑想をやっているとGTDの考え方は意外とすんなり理解できると思います。
ちなみにそのGTDの5つのステップとは、
- 気になるすべてのことを「把握する」
- それぞれが何を意味するか、どのような対応をすべきかを「見極める」
- 2のステップによって明らかになった内容を「整理する」
- 行動の選択肢を「更新する」
- 何をするべきかを「選択する」
となります。
この5つのステップについては実際に「ストレスフリーの整理術」を読んで頂いた方が理解は深まるのでそちらに任せるとして、GTDメソッドの導入研修を行っているGTD japanさんの公式サイトで簡潔に解説されているページがあるので、そちらだけ紹介いたします。
以降は、「ストレスフリーの整理術」の中から参考になった文章を紹介しながら私なりの感想とコメントを追記してみたいと思います。
GTD(Getting Things Done)は単なるノウハウではない
『GTDは、物事をこなしていくことに比重を置いているわけではなく、「自らをとりまく世界に対して適切なかたちで関わっていくこと」を主眼としている。ある時点で何をすべきかについて最善の選択をし、現時点で行っていないことに対して思い悩んだりストレスを感じたりしないようにする手法だ。』(抜粋)
マインドフルネスな状態と同じような事だと思いますが、今何かをやりながらも他の事を考えているようでは既にそれは一つの物事に集中できていない状態になってしまうので、今やる必要のない事を頭の中からいったん排除する、そのような状態を目指す手法であり、頭の中から全ての気になる事を追い出すという習慣を身に着けていく必要があります。なので、管理すべきなのは”行動”そのものになるんですね。
しっかりと時間をとって週次レビューすることが重要
3の「更新する」のプロセスの中で特に必要になるのが、なるべく毎週まとまった時間をとって、適宜、行動のリストを見直したり、やるべき行動を最新の状態に更新したりすることです。
そしてその週次レビューで行うことは以下とおり。
- やらなければならないことを把握し、どうすべきかを見極める。
- システム全体を見渡す
- リストを更新する
- すべてのものについて、済んだものは処分し、情報を更新する。
私は元々「7つの習慣」の週次スケジュールを使っていて毎週、土曜日か日曜日に1時間ぐらい時間をとって翌週の行動予定を作る習慣があるので、この週次レビューは抵抗なく取り入れることができました。
私はこの一週間スケジュールの中に仕事とプライベートの予定を書き込み、さらに仕事ではエクセルを使って日々発生するタスクを忘れないように書き込み、なるべく頭の中は考えることだけに集中できるように気を付けています。
創造的にプロジェクトを進めるために必要なこと
『リラックスしながらも生産性を発揮するためのカギは2つある。1つは望んでいる結果を明確にし、その達成に近づくために次にとるべき具体的な行動を定義することだ。もう1つは、それらを定期的に確認し、更新するためのリマインダーを信頼できるシステムに組み入れることである。』(抜粋)
『そのために活用して欲しいのがナチュラルプランニングモデルの5つ
- 目的と価値観を見極める。
- 結果をイメージする。
- ブレインストーミングをする。
- 思考を整理する。
- 次にとるべき行動を判断する。』(抜粋)
なぜそれをする必要があるのか、を理解・説明することができなければ、プロジェクトやチームは機能しなくなってしまうので、常になぜなぜを意識して、結果に向けた行動がブレないようにする必要があります。
2分ルールでメールの処理スピードが格段に上がりました
2分ルールは大変参考になった考え方ですが、例えば日々届く多くのメール、スグにできるものもあれば、時間をかけて考えなければならないもの、そもそも自分が関わる必要がないものなど、キリがないと思います。
メールをチェックしながらその重要性、緊急性、スグできそうなことなどを判断して、2分以内に対応できるものはスグに処理してしまおう(あるいは人によっては5分でも良いそうですが)、ということです。
把握と整理の習慣が身に着くとパファーマンスは間違いなく上がります
『頼まれたことや約束したことを次々に処理して整理していくと、やがてまわりの人々はあなたに特別な信頼を寄せるようになる。それだけでなく、自分を取り巻く世界へのかかわり方に対して自信をもてるようになるのだ。これはお金ではけっして買う事ができない価値である。人生におけるすべての「気になること」を把握して頭の外に集めておく習慣には、大きなパワーが秘められている。これを実践することであなたの精神はより健全になり、対人関係もプライベートと仕事の両方において好転していくだろう。』(抜粋)
まさにこの一節のとおり、このGTDを実践し続けることができれば、仕事や個人の生活における目的達成や成果達成への道筋がより明確かつ確実になるのではないでしょうか。
望んでいる結果に目を向けることが重要
『人生で起きる問題は2つしかない。1つは、求めている結果がわかっているのに、どうすればいいかがわからないこと。もう1つは、求めている結果が何かわからないことだ。』(抜粋)
求めている結果がわからなければ、次にどんな行動をとれば良いのかがわかりません。
まずは、
・とるべき行動をはっきりさせる
・求めている結果をはっきりとイメージする
そこから始めてみましょう。
GTDは頭の働きに着目した頭と心を整理するメソッドです
~「GTD japan」の公式サイトより抜粋~
GTDには、頭の働きに注目しているという特徴があります。「GTD」は「Getting Things Done」の略称で、「ものごとをやり遂げる」ことを意味しますが、タスクの完了だけを考えるのではなく「私たちの頭をいかにクリエイティブな活動に使うか」ということに焦点を当てています。GTDを実践することで、生産性の向上はもちろん、一般的なタスク管理では難しい、創造性の向上も目指せるはずです。
~抜粋、ここまで~
最初は7つの習慣と同じような内容が書かれているだけと勘違いしていました
「ストレスフリーの整理術」を最初に読み始めた時は「7つの習慣」と同じようなことが書かれているのかと思っていましたが、読み進めていくうちに全くそんなことはなく、人間の脳の働きに着目した心理学的なアプローチによるスケジューリング、タスク管理の考え方なんだと感じるようになりました。
14章では、「GTDと認知科学」ということで、ポジティブ心理学やフロー、セルフリーダーシップとの関連についても言及されていますが、普段からマインドフルネス瞑想をやっている私にとっては、人の心理状況をわかりやすく説明した文章が非常に読みやすく、「そうそう、正にそんな感じ。」と共感しながら読める内容かつとても参考になる内容でした。
これからのタスク管理、目標設定、スケジューリングの作成・見直しの際に多いに活用しようと思っています。