成長のために必要なマインドセットとは何なのか? 成長マインドセットという本が教えてくれました。
そもそも成長とはどういう事なのか? そこから始まり、成長を阻害する要因、逆に成長を加速させるために必要な事は何なのか? まで、会話調で読みやすくわかりやすく書かれています。
さらに、読み終わって頭で理解して終わるだけではなく、著者の吉田行宏氏のウェブサイトで、研修用に使用されているワークシートも無料配布してくれているので、読み終わった後にこのワークシートを印刷して自分に当てはめて真剣に考えながらワークシートにメモを加えていけば、自分専用の成長マインドセットが完成するので、ぜひ成長マインドセットを読んでみて、更にただ読むだけでなく、自分なりにワークシートを埋めてみる事をお勧めいたします。
では私なりに、成長マインドセットの概要と感想をまとめてみたいと思います。
成長の本質はアイスバーグを大きくすること
この本の最初のキモになるアイスバーグという図、これは成果を生み出すために必要なもっと手前の部分の本質的な要素が示されているのですが、このアイスバーグをバランス良く大きくしていく事、成長のためにはそれが必要なのだと書かれています。
プロローグの中で、「成長するには自分の今までの常識や価値観を進化させる必要があり、その過程で今までの自分との葛藤がモヤモヤとなって現れるのです。」と書かれていますが、正にその通りで、私自身もワークシートを埋めていきながら、自分の長所と短所について深く考えさせられ、本当に望んでいるもの、なりたいものは何なのかを改めて気付かせてもらい、日頃から何を意識して行動していかなければならないのかも、文章化することができました。
ブレーキを踏まない覚悟を決める
人の成長を阻害する、自分ではなかなか気づきづらい一つ目の要因、それは人それぞれ、その時々の状況で変わっていくものではありますが、自分の内面にある悩みのブレーキ、これが成長にブレーキをかけてしまうと解説されています。
なのでまずは自分の中にあるそのブレーキの存在を知る事、そして間違えてそのブレーキを踏まないようにするためには何を考えるべきなのか、とても考えさせられる内容になっています。
自己責任と当事者意識
~印象的な一文を抜粋します~
「最近の世の中では自分にとって損か得かで物事を判断し、行動してしまう傾向が強くなっているような気がしますね。でも、当事者意識が高いと、単純に自分の損得というより、長期的な自分の成長やその成長によって、チームや会社、お客様や社会にプラスになるという視点で行動できるようになるんです」
「その方がより自分が成長できる機会も増えますし、損得にとらわれない人間関係が築けそうです」
「当事者意識100%の考え方ができれば成長の機会が圧倒的に増えて、悩みもすごく減る可能性も高くなると思います」
私自身も会社で仕事しているときはなるべく当事者意識を持って色々な問題をみつけ、様々な課題を解決できるように奔走しているつもりですが、これはとても納得できる一文でした。
ワークシートの中には、自分でも手帳に書いて普段から見直している『全ての問題は自分の成長のため、家族の幸せのため』『自己否定(クリティカルシンキング)、自責思考』というメモを加えました。
結果は選択できないが行動は選択できる
~ここでも一部抜粋~
「本当は、最善の結果を出すための行動に集中したほうが良い成果が期待できるのに、逆に行動が甘くなったり薄くなったりすることがありますよね」
「結果は選択できないが、行動は選択できる、と呪文のように唱えてみてください」
「私がかつて会社役員としてクレーム対応にあたっていた時、自分では選べない結果に意識や関心が向きすぎて、行動や計画に意識が向かず、ベストを尽くせていないかもしれないということに気付いたのです。そう気づいてからは、選択できない結果にはとらわれず、どんな結果でも受け入れるという覚悟を持って、深刻な面談に臨む努力をしました。」
結果がどうなるかはやってみないとわからないのに、その結果が出る前にあれこれ思い悩んで行動に移れない人は沢山いるのではないでしょうか。
『会議で思い切って意見を言ってみよう!』
『上司や社長に改善案を提案してみよう!』
『思い切ってあの子に告白してみよう!』
『思い切って転職してみよう!』
他にも挙げればキリがありませんが、いずれも、言ってみないと、やってみないと結果はわかりません。
まずは行動してみましょう。
関心の輪と影響の輪
関心の輪と影響の輪はスティーブンRコヴィー氏の7つの習慣というベストセラー本の中で書かれていることですが、
気にはなるけど自分ではどうしようもできない事(関心の輪)についてあれこれ悩んでも身も心も疲れるだけなので、そこで悩む必要なない、悩んでいるその時間がもったいない、しかし、自分の努力次第で何とかできる部分(影響の輪)については、あれこれ発想して工夫を凝らし行動していく必要がある、なので、今の悩みが関心の輪の括りなのか、それとも影響の輪の括りなのかをよく見極めて行動する必要がある、といった考え方になります。
必要以上に関心の輪に気を取られて、余計に神経をすり減らしている方、多いのではないでしょうか。
また、この関心の輪と影響の輪については7つの習慣でより詳しく解説されていますので、そちらを読んでみてください。
大きな子供ブレーキという喩えはわかりやすい
まず、大人の中にいる「大きな子供」の特徴とは?
・自己中心的
・他者を理解しない
・好ましくないプライド、執着
・トラウマに影響されて過ぎている
・正しい軸が無い
あー私の職場にもいるいる、と思い浮かんでしまう人がいますが、そもそも自分自身が上の5つに当てはまっていないか、客観的によく見つめなおす必要がありますね。
本の中では、上の5つのような傾向が見られる人に対しては、やはり気を遣って接した方が良いということで、具体的な接し方がアドバイスされています。
また、「大きな子供ブレーキ」で生じる負の感情とは?
・怒り
・恐れ
・見栄
・妬み
・自己掲示
これも自分の中に現れてくると良くない感情ですが、「妬み」や「自己掲示」は私自身も気をつけなけれなならない傾向かもしれません。
この負の感情が現れてくると、全体視点で物事を考えることができず、論理的な判断や行動ができなくなってしまうそうです。
結果、周りの人や仲間や部下が離れて行ってしまうことに・・・
そうならないようにするためにも、この負の感情をコントロールすることがとても大事で、成長するための大きな要素であり、リーダーシップにも大変重要な要素になるとの事です。
さらに一歩進んで、自分の周りにこのような人がいてどうにも手に負えない場合には、「あぁ、そういう人もいるんだな」と理解して、あまり振り回されないようにした方が良い、と結んでいます。
自分をより成長させる自分軸(理念)というアクセル
~本文より~
「自分の人生であなたの周りにいる人は全て師、先生で、どんなに欠点が多そうに見える人からも、自分の意識のあり方でいろいろと学ぶことができるということ、そして、そのためには常に謙虚でなければいけないということだと私は解釈しています。」
自分自身の人生哲学、ポリシー、行動指針など、既にお持ちの方もいらっしゃるとは思いますが、もしまだ見つかっていないという方は、著者の吉田行宏氏の公式サイトで無料公開されているワークシートを使えば、少しずつ見つけられると思います。
何のために働くのか? 正しい動機は?
おそらく、誰でも聞いた事があるギリシャ神話の物語ですが、人が働く3つの理由がとてもわかりやすく表現されています。
あなたは何のために働いていますか?
~「人が働く3つの理由」ワークシートより抜粋~
仕事の見返りや報酬として4つのゾーンABCDにはどのような言葉が入るのでしょうか? 皆さんも考えてみましょう。
~「仕事の報酬や見返りとしてそれぞれの枠に何が入るでしょうか?」ワークシートより抜粋~
自分自身の仕事への動機や目的、これがもう一つのアクセルとなってあなたの成長を加速させてくれる要因となります。
成長の5原則
最後まで読んでようやく全ての話しがつながり、成長とはそういう事なのか、という自分なりの理解が得らえると思います。
ここまで読み進めてきたら恐らく皆さんも、ワークシートをダウンロードして自分のアイスバーグを整理して本当の成長への第一歩を踏み出したくなっているのではないでしょうか。
吉田行宏氏の公式サイトで無料公開されているワークシート
吉田行宏氏の公式サイトで無料公開されているワークシートのおかげで、私も現状分析と目標設定、アイスバーグを大きくしていために日頃から何を意識していくべきなのか、しっかりと言葉にしてよく認識することができました。
素晴らしい本に出会えたことに感謝いたします。
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