転職でお悩みの方は、アマゾンでもベストセラーになった「転職と副業のかけ算」を読んでみてはいかがでしょうか。
ただ単に、「今の会社がイヤで辞める」とか、「上司や同僚と上手くいかないから辞める」など、短絡的な理由で退職や転職を考えているようならなおさら、長期的視点にたった戦略的な転職を考えるキッカケになると思いますので、転職で悩んでいる方、転職希望者には、オススメの一冊だと思います。
私はいま50歳でサラリーマンをやっていまして、正社員としての転職歴は6回、派遣契約での勤務も数回しているので、勤務経験としては10社ほどの会社で仕事をしてきています。
いま振り返ってみると、それぞれの会社で色々な性格や価値観の方、また多くの世代の方達と仕事をしてきたので、自分では気が付かないうちにコミュニケーション力がついていたようで、社会人になってからずっと経理総務畑での仕事だったにも関わらず、今勤めている会社では人事の仕事もやらせてもらっているので、自分としては結果オーライの社会人経験、転職経験を積めてきたと思っています。
ただ、今は50歳にして年収は800万円未満と、年収的にはまだ満足のできない収入に甘んじているので副業などにもトライしていますが、「転職と副業のかけ算」の著者のmotoさんのように30代で既に年収1,000万円、さらに副業で数千万円の収入には程遠い状態となっています。
とは言うものの、今勤めている会社で経理総務業務に加えて人事の仕事もやらせてもらえるのが面白く、会社の制度の見直しなど組織作りに携われる点、人の採用や社員との面談など人と直接コミュニケーションを取りながら組織の活性化を考えられる点など、今まで勤めてきた会社の中では一番面白く仕事をできているので、仕事面での不満は一切ありません。
また、そのような人事関連の仕事に携わるようになった事で、人事やHR関連のみならず、組織論・リーダーシップ・心理学・コーチング・マインドフルネスなど、勉強すべき範囲も多岐に渡り、50歳を過ぎた今でも会社での仕事を通して自分自身のスキルアップも図れているので、プライベートでの家族生活も合わせて充実した日々を過ごせています。
なので、50歳を過ぎた今からまた転職活動をしてどこかの会社に転職しようという考えはないのですが、転職と副業のかけ算という本の中でmotoさんが仰っている事には同感できることが多く、また参考になる事も沢山あるので、気になった文章や言葉をここで紹介させて頂きます。
給料は「もらうもの」ではなく「稼ぐもの」
まったくその通りだと思います。
工場の生産ラインなどで働くような方達や接客業に携わる人、医療現場の看護師の方達もそうかもしれませんが、時間いくらという給料計算がわかりやすい職種もあるので、働いた時間分いくらもらうという「給料はもらうもの」という発想が全てダメという事ではないと思いますが、知識労働者であれば、働いた時間分いくら、という発想ではなく、どれだけの価値を生み出せたのか、どれだけの成果を生み出せたのか、という発想、つまり、「給料は稼ぐもの」という考え方に変化していかないと、給料を上げられないどころか、その会社からは不要な要らない存在、淘汰される存在になってしまうかもしれません。
事実、トヨタなどの大企業の多くが、既に年功序列制度と終身雇用制度の維持は困難と言っていて、中高年以上の社員に対する肩たたきや希望退職者を募るような企業も増えてきているので、もう会社に一生面倒を見てもらえるような時代は終わってしまった、という認識が必要だと思います。
やはりこれからの時代は、「給料は稼ぐもの」という意識になって、何歳になってもスキルアップの意識を持って勉強や自己研鑽を続けていくという考え方が、転職をするしないに関係なく、必要になるのではないでしょうか。
以前ベストセラーになったワークシフト(リンダ・グラットン著)でも全く同じような内容の事が書かれています。
企業に依存しないサラリーマンになれ
~本文からそのまま抜粋~
「会社にキャリアを用意してもらう」とか「給料はもらうもの」という従来の考え方は捨てて、「キャリアを自分で取りに行く」「年収を自分で上げに行く」「副業を通じて自分でお金を稼ぐ」といった考え方を持つことが必要です。
1つの会社に依存して働き続けるよりも、複数の会社で経験を積み、自分の市場価値を伸ばしていくことは、1つの自己防衛策なのです。
年収を上げる転職には「今いる会社で成果を出す」ことが必要です。特に20代のうちは、高い給料を追い求めるより「自分のスキル」を貯めたほうが長い目では大きな価値になります。
~ここまで~
何歳になってもそうですが、特に若いうちは、今いる会社で今の仕事に満足することなく、自分自身のスキルを上げることに意識を向けて仕事や勉強に取り組んで行った方が良いと思います。
会社や上司から与えられた仕事だけをやっているようでは派遣やアルバイトと変わりません。プラスアルファのエッセンスを加える努力を怠らないようにしましょう。
自分という会社を経営する目線を持て
著者のmotoさんは自分株式会社という言葉を使っていますが、自分自身を会社に見立てて考える思考の事を言っていて、この考え方は面白いですし、本当にそのような視点を持つべきだと思います。
自分自身の株式会社の売上をどのように上げるのか?
もちろんサラリーマンとしての給料を上げる努力も必要ですが、サラリーマンとしての給料を上げるという一つの収入だけでなく、投資収益、副業、将来の独立など、特にインターネットやスマートフォンやそれにかかわるサービスが発展した今のような時代、自分株式会社の収入を増やす手段はいくつも考えられるはずです(私も考えていますが・・・)。
自分の市場価値を高めていく視点
著者のmotoさんは自分自身の市場価値を高めるために必要な5つの要素を以下のように挙げています。
1.論理的な思考ができる力
2.構造的に物事をとらえる力
3.物事を俯瞰したうえで課題を特定する力
4.課題に対して仮設を立て、誰にでもわかりやすく話せる力
5.1~4を用いて組織をマネジメントする力
多くのビジネス書、グロービスのようなビジネススクールでも言われているような事だと思いますが、ビジネスパーソンであれば上記の5つは必須の要素ですよね。
転職は目的ではなく手段です
今の会社がイヤだとか、上司がイヤだとかいう単にネガティブな理由だけで会社を辞めると、おそらく次の会社で待っているのもやっぱり同じような嫌な環境となってしまうかもしれません。
あるいは、そのような転職理由を伝えただけで、面接官的には「ハイ面接おしまい」、となってしまうと思います。私が面接感だったらそうですし、職務経歴書や履歴書からそのような雰囲気が読み取れてしまったら、面接すらしません。
「自分自身の成長機会を求めて」とか、正直に「より良い給料を求めて」でも構いませんし、ネガティブ思考よりポジティブ思考、上昇志向を持っていて、転職の目的が明確な事、このような方でないとソモソモ次の会社に採用されることは無いと思います。
なので、この転職を通して自分が何をしたいのか、自分がどうなっていきたいのか、という理由をしっかり伝えらえるようになっておくと良いですよね。
転職にゴールはない
今の時代、ある一つの会社に就職してしまえば定年まで安泰、という事はどのような大企業に就職あるいは転職しても言えなくなってしまいました。
スキルアップを意識して、常に自分を磨き続けること、高め続けること、これこそが収入を増やしていくために一番大事なことなのではないかと思います。
人や組織から必要とされるスキルさえ身に着けられれば、その会社での存在価値が高まって給料が上がっていくでしょうし、もしその会社で給料が上がらないなら他の会社に転職すればそれで良いわけですし、あるいは著者のmotoさんが勧めるように副業にトライしても良いかもしれませんし、それこそ副業可能な会社に転職してしまうのが一番の方法かもしれません。
サイボウズやクラウドワークスなど、副業可能な優良企業も探せば沢山ありますので・・・
副業OKの企業一覧まとめ-ダブルワークを許可している会社|ナレッジソサエティ
例えばビズリーチやリクナビネクストなど転職支援サイトに登録して副業可能で検索すれば、副業可能な会社が見つけられますよ
転職と副業のかけ算の著者の想い
この本の「はじめに」の中で、著者のmotoさんは以下のような事を書かれています。
『「転職して年収を高めたい」「サラリーマンとしての市場価値を上げたい」「給料以外の収入が欲しい」「老後のお金の不安を減らしたい」と考える人にとって、1つのロールモデルになれたらと思っています。』
素晴らしいお考えだと思いますし、実際にこの本にはこれからのビジネスパーソンが生き抜くために必要な指針が示されていると思います。
特にこれから転職をお考えの方、何度か転職はしたもののどこに行ってもシックリした感じがない、という方にはオススメのビジネス書だと思います。
youtubeの新R25のmotoさんのインタビューも参考になること多いですよ。