働き方改革よりもまずは生き方改革の方が重要なのでは?

 戦後の復興期から昭和の高度経済成長期以降、「日本人は働き過ぎ」とよく言われていますが、私も本社がヨーロッパにある今の外資系の会社に転職してからは、本社の皆さんが比較的に定時でスパッと帰ってしまうとか、フレックスタイム制を活用して朝7時頃に早めに出社したら午後3時とか4時にはスパッと帰ってしまうということをよく見聞きするようになってから、確かに日本人は働き過ぎかな~と感じるようになりました。

 ヨーロッパ本社に出張して一緒にヨーロッパの人達と仕事をした事がある社員に言わせても、「みんな定時の時間になったらスグに帰っちゃいますよ」との事でした。

 要は、それだけ自分の時間や家族との時間を大事にしているという事なんですよね。

 もちろん、我々日本人の中でも家族と過ごす時間や自分のプライベートの時間を重視している方もいらっしゃいますし、海外の方でも寝る間も惜しんで働いている方も沢山いらっしゃいますので、日本人が全員働き過ぎで、海外の人達がみんな定時でサッサと帰って自分の時間を楽しんでいるという事ではないと思います。

 とは言うものの、やっぱり我々日本人は、時間外手当をあてに仕事をしているような人も沢山居ると聞いているので、全体としては比較的に働き過ぎの人や、働かせ過ぎの会社が多いのが実際のところではないでしょうか。

そういう私も以前は働き過ぎ人間でした

 そういう私自身も、今の外資系の会社に転職するまでは、平日は毎日残業して帰宅するのは遅い時間、土日も必要に応じて休日出勤をすることもあったので、どちらかと言うと働き過ぎの分類に入っていたと思います。

 ただ、今の会社(日本支社の社員は20人ぐらい)は基本的に定時終了が推奨されていて、半分以上の社員が定時になったらスグに帰ってしまいますし、定時になったら上司から「はい、今日は終わらせて帰りましょう」みたいに早めに帰るように指示をされるようになったので、入社当初は定時でスグに帰るのは若干の抵抗がありましたが、今はそれにも慣れて、定時の5分前には仕事を片付けて次の日の業務予定を確認してオシマイ、という感じで定時に帰れるようになりました。

 とは言っても、毎月の月次締めの時期や期限がある仕事で進捗が遅れているような場合にはそれなりに残業はしていますが・・・

 また、今の会社はフレックスタイム制があり、その制度を実際に毎日利用できるので、コアタイム内に必ず勤務していれば朝30分早く出勤すれば帰りも30分早く帰れたりするので、勤務時間を自分自身である程度コントロールすることも可能なため、朝8時ぐらいには出社して静かな時間から集中して仕事を始めて、帰りは17時ぐらいにスパッとあがってしまうようなこともできるようになりました。

 そのおかげで、平日でも帰宅してからオンラインの英会話レッスンを受けたり、ビジネス書を読んだり、さらに、家族と一緒に夕食を食べるなど、プライベートの時間もかなり充実するようになりました。

 私は今はもう50歳近く、いわゆるアラフィフと言われる年齢になりましたが、最近、子供たちが中高生になって土日も部活やクラブ活動に行くようになったので、土日の休日には自分の時間や家の事をやる時間、夫婦二人で過ごす時間もそれなりに取れるようになった事も、精神的なゆとりができて良かったと思っています。

 社会人になってから何度か転職はしてきましたが、今まで勤務してきた会社ではせいぜい土日の休日にようやく家族全員で一緒に夕食を食べられる程度だったので、特に、家族と過ごす時間を多く取れるようになった事は、今の会社と上司にとても感謝しています。

 また、今の会社に勤めるようになってからは自分のプライベートの時間や家族と過ごす時間を取れるようになりましたが、それもやはり、自分一人の考え方や行動だけで実現できたものではなく、たまたま転職して勤めるようになった会社が各個人のプライベートの時間を重視してくれる会社で、勤務時間中は時間を無駄にしないよう上司からは厳しく注意されることも多々ありますが、その上司の方もまたノー残業を推奨してくれるため、上記のような生活を実現できるようになったと思っています。さらに、外資系ならではの会社の制度や環境、文化というものが大きな理由になっているとも思います。

まずは各個人が自分自身の生き方を真剣に考えなければ、働き方改革を進めても意味はないと思います

 ただ、フレックス制度を利用したり、思い切って定時でスパッと帰れるようになって、休日もしっかりと休んで自分の時間を確保できるようになったとしても、そこでやること無くボーッと過ごしていればただの暇人になってしまいますし、一家の大黒柱のお父さんがせっかく平日の早い時間に帰宅したとしても、「なんでこんなに早く帰ってきたの?」などと言われて逆に居場所が無いというのでは、時間外残業を減らすような働き方改革の意味は全く無いと思いますので、各個人が自分自身の生き方や家族との過ごし方というものも合わせて考えていかなければ、政府が推奨しているような働き方改革というものは逆効果になってしまうと思います。

 私生活や家族生活が充実しなければ仕事の充実はありえないと思いますし、その逆もまた、仕事の充実や収入の充実が無ければ私生活や家族生活の充実もありえないと思いますので、仕事とプライベートの両方の充実こそが、働き方改革の目指すべきところなのではないかな~と個人的には考えています。

 ですので、働き方改革のためには、まずはその前に各個人の生き方改革、つまり、どのような生き方をしていきたいかという事もよく考えておかなければ、残業せずに帰宅してせっかくできた自分の時間を有効活用することはできないと思いますので、まずは自分の生き方を見直す、改めてゆっくりと考え直すというのも大事な事なのではないかなーと、最近考えるようになりました。

 そうは言っても、毎日毎日忙しく働いていると、そんな事を考えている余裕なんて無いですけどね・・・

 ちなみに私の今の目標は、英会話力を身に着けること、また、たとえ定年してからでも良いのでいつかは独立起業、という夢があるので、家族と過ごす時間家内と夫婦二人で過ごす時間以外は、その目標や夢の実現のために使うようにしています。

 またこれからは、近くの実家に住む両親にもっとしっかりと親孝行しなければいけないな~、とも思っています。 ぜひ皆さんも、もう一度、自分の人生の目標や夢、自分の時間、家族との時間、愛する人と過ごす時間など、自分の時間の過ごし方や生き方を真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

自分自身の生き方を見直すためにオススメの本、ワークシフト(リンダ・グラットン著)も紹介させて頂きます。

現状をよく分析されていて、そこから見いだせる未来像、5年後・10年後に世界経済・社会はどのように変化していて、人それぞれの価値観がどのように変化していくのか、という事を本当にわかりやすく解説してくれています。

「自分も何かやらなければ、時代の流れから取り残されるしまう」という危機感を感じさせてくれて、さらに、尻に火をつけてくれる良書だと思います。