ベストセラー作家として有名な精神科医の樺沢紫苑さん、今はYouTubeでも沢山の動画をアップして、「情報発信を通じてメンタル疾患、自殺を予防する」をテーマに活動を続ける素晴らしい先生が書かれた『行動最適化大全』。
まず第一部ではイラストで感覚的に理解して、さらに第二部でそれを科学や研究の成果から論理的に深く掘り下げて解説してくれるという、非常に見やすく、かつ読みやすく書かれていて、しかも面白いので、あっという間に読み進められる内容の本でした。
自分自身でも既に取り組めているものもあれば、
「あっ、これは全然できていない、改善が必要だなー」と思われるもの、
仕事や私生活など、自分の普段の生活の中で見直すべき行動も改めて認識し直すキッカケになったので、どなたにもお勧めできる良書ではないでしょうか。
行動最適化大全の構成
全体の構成としては、
朝、昼、夜、仕事、学習、コミュニケーション、健康、人生
の8章の構成になっていて、
さらに、樺沢先生のYouTubeに届く約10,000件にものぼる相談メールの中から重要な50個のテーマを上記の8章の構成に当てはめてわかりやすく解説。
普段の自分の仕事や私生活の場面と照らし合わせて行動チェック・思考チェック、および改善を行えるようになっています。
興味深い50個のテーマとは
- 1日のスタート「朝起き」を心地よくむかえる
- 健康的なよい習慣「朝型生活」に切り替える
- スッキリと気持ちのいい「目覚め方」を学ぶ
- あらかじめ決めた「朝のルーティン」をこなす
- 穏やかな「朝散歩」を日課にする
- どんなに忙しいときでも「朝ごはん」は必ずとる
- 脳が元気な朝の「通勤・通学時間」をうまく使う
- 効率アップの「仕事のはじめ方」を実行する
- 午後からも頑張れる「昼休み」の使い方
- ちょっとした「休憩のとり方」で効率が変わる
- 効率を上げるには「休むタイミング」が大切になる
- 眠気が出る「午後からの仕事」を最高な時間にする
- モチベーションアップのため「会議・打合せ」を改善する
- パフォーマンスを上げる「おやつ」の食べ方
- 仕事の上で「音楽の力」を最大限生かす方法
- 成功している人は「遊び」の達人が多い
- 目的なくダラダラと「動画」を見てはダメ!
- 百害あって一利なしの「お酒」の飲み方
- 日々たまっていく「疲れ」をとる方法
- よい睡眠は「寝る前の2時間をどう過ごすかがカギ
- 楽しいことを考えて「眠り」につくことが大切
- 仕事のために「集中力」を高める
- 仕事や勉強の「やる気」を出す方法
- 「つらい」ではなく「仕事を楽しめば」成果は上がる
- 誰でもできる「アイデア」の出し方
- 失敗しない「プレゼンテーション」のやり方
- 試験やプレゼンの敵「緊張」を味方につける
- 最高のツール「スマホ」を上手に使う
- 在宅ワークのための「自宅の仕事環境」を快適にする
- もっとも効率のいい「学習方法」を身に着ける
- 覚えたものを忘れず「記憶」にとどめる方法
- 学習効率を上げる「インプット」のやり方
- 悩みの解決方法が書かれた「本」の活用方法
- 人生に役立つ「資格の勉強」を効率よくする
- 三日坊主にならない「続ける方法」をマスターする
- ムリやりに「職場の人」と仲良くしなくてもよい
- 希望のある「温かい言葉」をたくさん使う
- 数多くの言葉で「伝える」よりも態度が大切
- 一緒にいるからこそ「パートナー」に感謝を伝えよう
- パートナーとのよい関係が「良い自宅の仕事環境」につながる
- つらいときこそ「感情」をコントロールする
- 孤独になる前に人との「つながり」を大切にする
- 毎日の運動が「健康」を支える
- 永遠の課題「ダイエット」を正しくやる
- どんな人にもたまる「ストレス」の解消方法
- ただ飲むだけではダメ「水分」のよいとり方
- 多くの人に愛されている「コーヒーの飲み方」の正解
- 成長するためには「まずやってみる」ことが一番大切
- どんなときでも「幸せ」を感じることはできる
- 成長の仕組みがわかれば「人生」をよりよくできる
どれも大事な内容だと思いますが、それぞれの解説頁を読めばより理解は深まると思います。
私の場合、上記の50項目のうち〇△×の3つでチェックしてみたところ、
まぁできているかな、という「〇」が37個
努力が必要の「△」が7個
全くできていない「×」が6個
となりました。
私が特に気になったテーマ
どれも大事なテーマでそれだけでも一冊の本になってしまうような内容のモノもあるので、いくつかを抜粋してお勧めというのもおこがましい話しではありますが、私が実際に意識して取り組んでいることで、
やっぱりこれは大事‼
と思うものをピックアップすると以下の通りとなります。
朝型生活と朝のルーティン、それと大事な朝ごはん
テーマ2、4、6で書かれている内容です。
以下の記事でも書いているとおり、
コロナ禍になって以降は、在宅勤務の普及によって私も週に2~3回は在宅勤務で仕事をできるようになり、会社出勤時の仕事の残業もかなり減ってきたので、早寝早起きの朝型生活に変え、モーニングルーティン、いわゆる朝活という事にも取り組めるようになり、今では朝から良いスタートを切れるようになりました。
朝5:00~5:30ぐらいに起きてから瞑想を15分やった後、玄関廊下の雑巾がけ・トイレ掃除・洗面台掃除、時間があるときにはさらに軽いヨガや筋トレなどをこなして、そこで体を動かしてお腹が空いてくるので、朝食を食べ、さらにその後に体を目覚めさせるためにシャワーを浴びてからそのまま風呂掃除と、朝から掃除をして気分も良く、
「今日も朝からよく頑張った」
みたいな感じで自己肯定感も上がるので、朝のルーティンをこなすだけでも一石二鳥、いや三鳥ぐらいの効果があると思っています。
コロナ禍になる前は朝起きてからスグに家を出る準備を始めて朝食も取らないまま会社に向かい、会社近くの立ち食い蕎麦屋さんでササっと朝食を済ませるというバタバタした朝の生活を続けていたので、いま考えると身体的にもメンタル的にも不健康極まりない生活を送っていたということですよね(・・;
通勤時間の有効活用はビジネスパーソンにとって必須ではないでしょうか
テーマ7の「通勤時間の有効活用」、15の「音楽の力を最大限に生かす」と関連付けて書きますと、通勤電車の中では音楽を聴きながら読書、あるいは英会話のリスニングを聴くなど、集中して取り組めることは沢山あるのではないでしょうか。
私の場合ですと、特にスマートフォンでお気に入りの音楽を聴きながら(BGM系のインストゥルメンタルばかりですが・・・)読書をしたり調べものをしたりするととても集中して捗るので、通勤電車の中での一人の時間を有効活用しないのは勿体ないと思います。
また、在宅勤務で一人で仕事をするときも勿論、YouTubeでBGM系のジャズやカフェミュージックなどを探して、そのBGMを流しながら仕事に取り組むようにしています。
なので、私的には音楽は欠かせない存在になっています。
夫婦関係の最適化 ~感謝の想いをしっかりと言葉で伝える~
テーマ37、38、39、40が関連していると思いますが、
人間関係の悩みに関して、職場の人間関係のストレスに次いで多いのが、夫婦関係の悩みだそうです。
我々夫婦は幸いにも、普段から喧嘩をすることはなく、大学生と高校生の子供達が呆れるぐらいいつも仲良くしているのでこのテーマはクリアできているのですが、やっぱりお互い普段からの挨拶や感謝の想いを素直に伝えられているのが良い関係を築けている理由だと自負しています。
- 朝起きたら「おはよう」
- 料理を作ってくれた人には(私もたまに作っているので)「頂きます」「ご馳走様」「美味しい!」
- 出かけるときは「行ってきます」
- 帰ってきたら「ただいま」
- 夜寝る前は「お休み」
どれも当たり前すぎる話しですが、意外とこれができていないご家庭もあるようです(・・;
親がしっかりと上記のような挨拶ができていれば、子供も自然とそれを真似して挨拶をするようになるので、挨拶というのは夫婦円満、家庭円満の基本中の基本なのではないでしょうか。
夫婦だからこそ当たり前なのではなく、一番使いパートナー(配偶者)だからこそ、日常の挨拶や感謝の想いはしっかりと伝えあうべきだと、私も考えています。
また、本の中では「メッセージ」の伝え方にも触れられていて、
「出かけるとき、忘れないでゴミ出していってね!」
ではなく、
「出かけるとき、ゴミ出していってくれると、うれしいわ!」
だと、相手も命令口調に受け取るのではなく、思わず手伝いたくなる心境になってしまうようなので、言葉の使い方・伝え方のチョットした工夫も必要かもしれませんよね。
ちなみに我々夫婦の場合は共働きのため自然に家事分担ができているので、燃えるゴミ・プラゴミ・資源ゴミ・紙ゴミなどをまとめて捨てるのは男の私の役割になっています。
なので、たまに妻が仕事に行くついでに出してくれることがあるぐらいで、週の殆どは私がゴミまとめとゴミ捨てをしています。
さらに言うと、掃除機掛けは土日のどちらかに妻がやっていますが、朝の食器洗い、シンク洗い、トイレ・洗面掃除、風呂掃除も、すべて私の役割になっていまして、私自身、朝に掃除をしていると気持ちが集中してマインドフレスな状態になって、掃除が終わった後は自己肯定感も上がって良いことばかりなので、今は欠かすことができない朝のルーティンになっています。
話しが逸れてしまったので元に戻しまして、普段から挨拶をして、感謝の想いを伝えるのも勿論大事なことなのですが、それともう一つ大事なのがやっぱり、普段からの夫婦の会話、コミュニケーションではないでしょうか。
私の場合ですと、在宅勤務制度を活用して週に2~3回は自宅で仕事をできるようになったおかげで、土日+平日の2~3回、なので週に4~5回は妻と2人で、子供達もいれば家族3~4人で夕食を取れるようになりましたが、この時間は我々夫婦や家族で一緒に会話をしながら晩酌をする毎日の楽しみの内の一つ、とても貴重な時間になっています。
いつも21時~23時ぐらいまでの間の一時間半から二時間ぐらいの時間なのですが、ニュースを見ながら真面目に話しをしたり、マツコデラックスさんの「マツコの知らない世界」、あるいは久本さんと爆笑問題の田中さんの「秘密のケンミンSHOW極」のテレビ番組がやっているときは、そのエンターテイメント番組を観ながら夫婦二人で、又は家族で笑いながら楽しい時間を共有するようにしています。
食事の時間に限らずですが、夫婦の会話ってとても大事だと思いますので、行動最適化の中でも書かれているように、少なくとも一日に30分ぐらいは夫婦の会話の時間を作れるようにしたいですよね。
最適化チェックリストの活用/巻末付録
最適化チェックリスト、ということで巻末に自分の普段からの行動が最適化できているかどうかチェックできる付録がついているので、本を読んだ後はそのチェックリストを使って自分の生活状態を見直してみるのも生活スタイルを変える良いキッカケになるのではないでしょうか。
この行動最適化大全という本を読んだ後、樺沢紫苑さんが執筆されたもう一冊、「毎日を楽しめる人の考え方」というタイトルの本も読んでみましたが、仕事一辺倒で真面目過ぎる日本人の方にはぜひ読んで頂きたい書籍だと思います。